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ミステリの祭典

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魔女の子供はやってこない

作家 矢部嵩
出版日2013年12月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2020/12/23 22:41登録)
小学生の夏子はある日「六〇六号室まで届けてください。お礼します。魔女」と書かれたへんてこなステッキを拾う。半信半疑で友達5人と部屋を訪ねるが、調子外れな魔女の暴走と勘違いで、あっさり2人が銃殺&毒殺されてしまい、夏子達はパニック状態に。反省したらしい魔女は、お詫びに「魔法で生き返してあげる」と提案するが―。日常が歪み、世界が反転する。夏子と魔女が繰り広げる、吐くほどキュートな暗黒系童話。
『BOOK』データベースより。

独特のクセのある、かなり読みづらい文体です。連作短編なのか長編なのかちょっと判別し難いところがありますね。1話でいきなりグロとスプラッター全開で、結構ハードでホラーな展開かと思えば、2話ではほのぼのとしたアットホームなドラマに急変し、その後ファンタジーの世界に突入します。

そして何より4話5話のオチが凄いです。これは恐ろしい、まるで本格ミステリの大トリックが解明された時のようなカタルシスを得られました。巷にありがちなホラーとは一線を画す、所謂問題作と言って良いでしょう。それ以上の感想が思い浮かびません。それにしても、夏子を始め誰も彼も嘔吐しすぎです。タイトルや表紙画に騙されて、軽いホラーと思ったら大間違い、ずっしりと重い読み応え十分の作品になっています。

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