home

ミステリの祭典

login
第四間氷期

作家 安部公房
出版日1959年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 虫暮部
(2020/12/24 15:36登録)
 予言機械によって殺人事件の真相を摑もうとの試みが、次々と意外な方向へ展開し、展開し過ぎ、円環は完結しない。その時々の思い付きで支離滅裂に雑誌連載する、と言う実験だったんじゃないかとさえ思う唐突さ。個々のエピソードはみなあくまで“手段”だったのだろう。最終章の少年の情景は美しい。
 しかし、機械の予言があそこまで詳細に亘るものなら、“作品途中の任意の時点から記述内容が丸ごと予言の文言に摩り替わっていた”と言う叙述トリック的解釈も成立する? その不確かさこそが“目的”?

1レコード表示中です 書評