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ミステリの祭典

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劇画殺人事件

作家 生田直親
出版日1979年12月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2020/12/11 22:40登録)
(ネタバレなしです) テレビ脚本家だった生田直親(いくたなおちか)(1929-1993)はミステリー作家としては「誘拐197X年」(1974年)でデビュー、派手な展開のサスペンス小説が多いようですが通俗的な官能描写、社会問題への怒り、力のこもったスキー描写や山岳描写など多彩な個性を持っていたようです。本格派推理小説とは無縁の作家かなと思ってましたが、1976年発表の初期作品である本書の光文社文庫版では本格派の作品と紹介されていました。漫画界を背景にしていますが人間関係は結構殺伐としています。まあ殺人が起きるんですからね。米国帰りの風来坊的な主人公が探偵役ですが、映画プロデューサーになろうという夢を持っていてこの夢が実現すのかどうかが謎解きと共に物語の両輪となっています。探偵と容疑者が対決的でありながら一方で互いに認め合うという人間関係も読ませどころです。アリバイトリックにちょっと面白いところがありますが、ちゃんと調べたらばれるのは時間の問題のトリックでしょうね(実際警察も最後は見抜いています)。

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