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ミステリの祭典

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ドールハウスの人々

作家 二宮敦人
出版日2013年04月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2020/12/07 07:36登録)
大学生のソウスケは天才的な球体間接人形作家。こだわりぬいた作品は妖しい魅力に満ちていた。ところがある日、恋人のヒヨリを展示会に連れていったことから、狂気に満ちた連続殺人事件が幕を開けた。犯人は、親交のある人形作家か狂信的なファンか―。真犯人を追ううち、人形を愛する人たちの狂気の世界に呑みこまれ、ソウスケのすぐ近くまで魔の手が迫る。
『BOOK』データベースより。

作品の性質上ネタバレの危険性がありますので、あまり多くは語れませんが、如何にも二宮敦人が書きそうな作品ではあります。ジャンルとしてはホラー寄りのミステリでしょうかね。短い小説ですが、その世界観が濃密で特に人形に執着する人間たちの狂気がよく描かれていると思います。まあ、やられましたよ、それ以上は何も言えません。

途中までは舌足らずな表現をわざと駆使して、どうにも据わりの悪い小説だという印象でしたが、それも計算の内だと気付いた時には作者の罠に嵌っていたわけです。猟奇殺人の意味するホワイダニット、少ない登場人物の中で果たして誰が犯人かに興味を引っ張られ、それにプラスしてあくなき人形への偏愛をも描き切っています。
警察の動きがあまりに緩慢だとか、色々瑕疵はありますがかなり楽しめたのは確かなので、甘目に採点してこの点数に敢えてしました。

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