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ミステリの祭典

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蟲と眼球と殺菌消毒
蟲と眼球シリーズ

作家 日日日
出版日2005年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2020/12/08 22:07登録)
あれからひと月―。「エデンの林檎」の不思議な力を手に入れながらも、仲間の鈴音や愚龍と共に日々平穏に暮らそうとするグリコのもとへ、賢木財閥から二人のエージェントが送りこまれて来る。その使命はなんと、「グリコの両親になること」!?慣れぬ「家族生活」にすっかり調子が狂うグリコ。一方その頃、町では手長鬼と名乗る怪人が残虐な事件を起こしていた。その犯行に超常のものを感じたグリコは、手長鬼と対決する決心をするが…。グリコの不器用な優しさが読む者の胸を打つ!未曾有の学園ファンタジー再開。
『BOOK』データベースより。

一作で完結するはずだったとあとがきで作者が書いている通り、やや無理やり感が無きにしも非ずのシリーズ第二弾。もう完全に主役はグリコになってます。鈴音や賢木の出番が少なすぎてやや不満ではありますが。それにしても色々詰め込みすぎて、その後はどうなったのか気になる、中途半端で終わっているエピソードもあって、所謂続編に続くって感じな終わり方ですね。
今回はグリコが擬似家族に馴染んで、うまく家庭生活をやっていけるのかがテーマとなっているのかと思いきや、それはほんの味付けに過ぎず、結果バトルがストーリーの中心になっています。手長鬼が最強の相手だと思っていたら大間違い、その後に更に強力な化け物を相手にすることに・・・。

ラノベなのにこれがラノベかと思うような、重くて暗い救いのない話に終始しており、かなり異色です。手長鬼の残酷すぎる過去や、憂鬱刑事嘆木の登場、次々に惨殺される少女たちといった魅力的な要素を孕みながらも、テンポが速すぎてじっくり腰を落ち着けて読む状況になりませんでした。
前作が面白過ぎた為、嫌でも期待が高まりましたが、やはりそれに比べると一枚劣る感は否めません。でも、エピローグには心揺さぶられるものがあり、半端に終わったエピソードも含めて、とても次回作が気になります。

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