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ミステリの祭典

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内なる町から来た話

作家 ショーン・タン
出版日2020年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 まだ中学生(仮)
(2020/11/29 09:03登録)
登場するのは、87階に住んでいるワニや、やってきたときは「ワイセツだ」とか「不浄である」といわれたのに100年のうちに大都会になじんでしまった巨大カタツムリ、昼下がりに会議室でカエルに変わってしまった重役たちを、バッグに入れた持ち帰る秘書ら。どれも現実を踏み外しているおかしい不思議な話なのだが、絵を見ると、否応なく納得させられてしまう。
更に、海のない街のビルの屋上で、少年たちが釣り上げた空の魚をさばいてもらい、地下の王国の顔役に売る話や、ビルよりも大きいサメの腹を掻っ捌くヌルヌルとした無数のサメが現れ、猟師がそいつらの腹を切り裂くと、さらに小さなサメが元気よく転がり出て、それをまた猟師がという物語もある。
短編として面白いうえに、ファンタスティックで美しい絵や、シュールで不気味な絵がさらにその世界を広げている。

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