巴里の奴隷たち ルコック |
---|
作家 | エミール・ガボリオ |
---|---|
出版日 | 2015年08月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 7点 | 弾十六 | |
(2022/06/04 10:07登録) ルコックが登場する長篇小説、第四弾。連載Le Petit Journal、第一部B. Mascarot et Co 1867-7-9〜1867-10-22、第二部Le Secret de la maison de Champdoce1867-11-5〜1868-1-9、第三部Le Chantage1868-1-10〜1868-3-26。出版時(1868)には1 partie. Le Chantage, 2 partie. Le Secret des Champdoceの二部構成となっています。 悪い奴らの悪だくみ、でも何をしようとしてるのかがハッキリしない、というストーリーで、何だろう?何を企んでいるのだろう?とグイグイ惹きつけられます。途中でいつもの二部構造が唐突に始まり、ややそこはダレるのですが、関連性(ちょっとやり過ぎ)が分かると、こちらも先が気になってドンドン読めます。最後の方は筋だけになってアッサリ味になっちゃうのですが、悪だくみをすすめている前半部分は肉も肉汁もたっぷり豊富で、当時のパリが眼前に現れるよう。大ロマン小説が堪能できます。 まあいろいろ無理してる点はありますが、強烈なキャラや事件がいっぱい詰まっていて、上手に構成された非常に面白いピカレスク・ロマンでした。謎解き味は全然ありません。 物の値段がけっこう書き込まれているので、当時の物価の資料として使えるかも。 そういうトリビアは後で追加…したいのですが、フランス語が不得手なので昔読んだ『ルルージュ事件』すら投げっぱなしです。ああルパンの初期短篇もやらなくては… |