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ミステリの祭典

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蜜の味

作家 H・F・ハード
出版日1982年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 虫暮部
(2020/11/18 11:09登録)
 表紙にせよ粗筋紹介にせよ“ホームズ・パスティーシュ”と言うことを前面に打ち出していて、そりゃあそういう本だから当然だよね。ところが本文にその姓名は出て来ないのだ。もし予断無しで読んだら“アッ、これってホームズか!”と驚けただろうか。せめてもの抵抗として、あとがきを先に読むのはやめたほうがいい。
 1941年発表だから、ミステリの文法はそれなりに発達していた筈だが、それよりも“ホームズであること”を優先しており、展開に捻りは無い。
 しかし、ワトソンは登場せず、当事者の一人称で事件の成り行きをじっくり語らせるあたり、単なるホームズ愛ではなく意外と冷静に原典の弱点を対象化していると思った。具体的描写は少なくても敵のキャラクターが浮かび上がって来るし、化学実験の使い方も面白いし、短めの長編を引っ張る強度としては充分だ。

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