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ミステリの祭典

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コープス・ハント

作家 下村敦史
出版日2020年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 HORNET
(2020/11/15 19:07登録)
 婦女連続殺害事件の法廷。死刑判決が下された後に、取り調べ中も沈黙を続けていた被告が突如叫んだ。「最後の一件だけは俺の犯行じゃない。俺は真犯人たちを知っている。真犯人のうちの一人は―俺が殺した。俺は"思い出の場所"に真犯人の遺体を隠してきた。さあ、遺体探しの始まりだ!」―その捜査に関わった折笠望美は、当初から別の人間の犯行を疑っていた。捜査方針に異議を唱えたことで謹慎となっていたが望美だが、再び独自に捜査を始める。

 交互に章立てされているYoutuberたちの「遺体探し」の件が、後半に意味をもって意外な融合をするという上手い構成がとられている。昨今のミステリに慣れている人であればその仕掛けに気付く可能性も大だが、私も途中で気付きながらも興趣は削がれずに最後まで読み進められた。
 表題や冒頭の展開からは、世間が「遺体探し」に沸き立つ混乱ぶりが描かれるのかと想像していたが、そういう類ではなかった。
 面白かった。

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