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ミステリの祭典

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老女の深情け 
迷宮課事件簿Ⅲ

作家 ロイ・ヴィカーズ
出版日1962年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2015/08/14 10:06登録)
(ネタバレなしです) 1954年に出版された迷宮課シリーズ第3短編集で8作品が収められていますが、その内2作品はシリーズ外の作品です。(ハヤカワ文庫版の巻末解説で詳しく書かれていますが)屈折した動機を扱った作品が多くなっています。ただページ数の制限がある短編のせいか複雑な犯行背景がどうもすっきりしないこともしばしばで、「いつも嘲笑う男の事件」では犯人が最後に錯乱してしまいましたが犯人自身も実はよくわかっていなかったのではという気がします(笑)。個人的には「ある男とその姑」と「ヘアシャツ」(昔は「髪の毛シャツ」という珍妙な邦題で出版されたそうです。ヘアには動物の毛の意味もあるのを当時の訳者は知らなかったのでしょうか?)がお勧めです。余談ですが「老女の深情け」に登場する女性は年齢30代なのに「老女」扱いはあんまりではないでしょうか(英語原題は「A Fool and Her Money」です)。

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