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ミステリの祭典

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下町ロケット ヤタガラス
下町ロケット

作家 池井戸潤
出版日2018年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 E-BANKER
(2020/10/13 22:35登録)
前編的位置付けの「下町ロケット ゴースト」に続いての完結編となる本作。
佃製作所VSダイダロス+ギアゴースト、ついでに重田+伊丹VS的場の戦いにも終止符が訪れる・・・はず。
単行本は2018年の発表。

~宇宙(そら)から大地へ・・・。準天頂衛星「ヤタガラス」が導く、壮大な物語の結末は?~

「ゴースト」の書評の際に、『もはや池井戸作品に対してはあれこれ書評しない・・・』などと書いてしまった。
ということで終了。

・・・
いやいや。さすがにそれでは気がすまん。ということで、くだらない感想だけは書き記すこととする。
Amazonの書評を拝見すると、これがもう予想以上に高評価だらけ。中には、「文学性が高い」などと書かれている方までいらっしゃる。
うーーん。個人的には「やや安直」というのが読了後の感想。
読者の方も、もはや物語の展開などは自明の上で、それでもその自明の結末を待ち構えている。
これって・・・そうか、それが歌舞伎との共通項?
歌舞伎だって、ストーリーはほぼ自明。それでも観客は歌舞伎自体の様式美や俳優の熱のこもった名演を期待している。どうりで・・・歌舞伎俳優が嵌まるわけだ。

などと否定的な感想を書いてますが、やっぱり読ませる力は本作も健在。
的場取締役が失脚する場面なんて、個人的にも拍手喝采。「ざまあみろ!」って思わず叫びそうになった。(大げさ)
本作のテーマである農業。担い手の殆どが60歳超の高齢者ということで、このままいけば日本の農業は壊滅してしまうという・・・。でもこれって、地方なら他の産業も同様。建設業だって、高齢者の比率は相当高い。
今から十分に備えておかないと、その時になって慌ててもどうしようもない。そんなことを考えさせられる作品。
作者の目の付け所、取材力に関しては敬意を表します。
が、そろそろ原点回帰。ミステリー度の濃い作品を期待してます。

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