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ミステリの祭典

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黒いジャガー
私立探偵シャフト

作家 アーネスト・タイディマン
出版日1972年01月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 クリスティ再読
(2020/10/01 20:10登録)
女に滅法ツヨい黒人の私立探偵は?
シャフト!
その通り。相棒のためなら命だって賭ける男は?
シャフト!

と、黒人探偵は結構いるんだけども、小説の黒人探偵以上に、映画ではこの「黒いジャガー」のシャフトがレジェンドになっている。いわゆる「ブラック・エクスプロイテーション映画」のハシリであり代表作で、アイザック・ヘイズのテーマ曲と演じたリチャード・ラウンドツリーのカッコよさ、冒頭のシーンの望遠レンズを多用した街頭ロケの美しさ...などなどで、サブカルのレジェンドとなっている映画の原作である。映画の監督ゴードン・パークスは黒人だけど、原作作者は「フレンチ・コネクション」の脚本家で、白人なのが残念。

滅法タフな黒人私立探偵シャフトは、二人組の黒人ギャングのご訪問を受けたが、失礼だから窓から放り出してやったぜ。二人組を差し向けたハーレムのボスが自ら出向いて詫びたこともあって、その依頼を受けることにした。ボスの娘が何者かに誘拐されたようなのだ。シャフトは旧友のブラックパンサー活動家のベンから娘の行方を探るのが、このブラックパンサー一味は何者かの襲撃を受けて、ベン以外皆殺しになった!どうやらハーレムの麻薬密売に絡むマフィアとのトラブルが背景にあるらしい....

という話。シャフトのやたらなタフさが強烈。映画は原作の話の展開に結構忠実。クライマックスはやや盛ってる。白人警官との友情は小説はあまり表には出ない。ハヤカワ・ノヴェルズで映画公開に合わせて出版されたわけだけど、訳文が今一つで、結構何言ってるかよくわからないようなところも多い。意外なヒットで急遽出版が決まり、即席での翻訳出版だったのかな。原作も妙に心理描写しすぎでハードボイルドの良さみたいなものは薄い。

映画を見た方がずっといい。まあ映画も途中話は結構ダレるんだけどね。個人的にはこの監督の同名の息子が作った「スーパーフライ」の方がニューシネマらしいアンチヒーローで好きだなあ。

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