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ミステリの祭典

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夢をかなえるゾウ

作家 水野敬也
出版日2007年08月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 メルカトル
(2020/09/22 22:12登録)
「お前なぁ、このままやと2000%成功でけへんで」ダメダメなサラリーマンの前に突然現れた関西弁を喋るゾウの姿をした神様“ガネーシャ”。成功するために教えられたことは「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかりで…。ベストセラー『ウケる技術』の著者が贈る、愛と笑いのファンタジー小説。
『BOOK』データベースより。

自己啓発本と聞いて良いイメージを持つ人は少ないと思います。正直私も胡散臭い、怪しいと考えていました。しかしAmazonでのレビューが現時点で2288という桁違いの数を数えているのを知り、興味を持ちました。で読んでみると、実際面白い。途中何度も笑えます。何より、成功する為の秘訣を伝授する側と伝授される側の両面から描いているのがフェアな感じがして好感が持てます。サラリーマンは何度もこんな事で本当に自分は変われるのだろうか、と自問します。それでも一つ一つの課題をこなしていく内に次第に変わっていく自分を発見したりもしていて、なるほどと思わされてしまうのは、私だけではないはず。

啓発の提示そのものは勿論、小説としてしっかりと成立しており、非常に楽しめると思います。著者は小説家のセンスも持っているのか、シリーズを通してとんでもないベストセラーを叩き出しており、大衆受けするのは間違いないと思いますね。洗脳?いえいえとんでもない。おそらく全課題を実行すれば、確実に自分を変えることが可能と断言しても良いです。まあ、その課題をいくつクリアできるか、実際私には僅かしか出来ないかも知れません。それじゃダメじゃんってことですけど。そんなものですよ。作中にも書かれていますが、自分を変え成功するのは容易ではない訳です。
ただ、自分は読んで楽しめれば何でもOKなので、問題ないですけどね。出来ればもっと若い頃に出会いたかった一冊と言えそうです。世界的に有名な偉人が42人も出てきます、それだけでも凄いのに釈迦がガネーシャの友達として友情出演しており、そこが一番笑えましたね。

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