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ミステリの祭典

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アリバイ特急+-の交叉
荘&美緒

作家 深谷忠記
出版日1987年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2020/09/02 20:01登録)
タイトルの「+-」は「じゅういち」ではなく「プラス・マイナス」です。荘と美緒シリーズの中でも初期、このタイプのタイトル最初の作品。
講談社NOVELSカバーには「書下ろし大トリック・アリバイ崩し」なんて謳ってありますが、容疑者がすぐに特定されて、後はアリバイをいかに崩していくかに集中した作品ではありません。むしろ動機がはっきりせず、前半は宮崎県日向市と札幌で起こった二つの殺人事件の関連性を探っていく展開です。読者には、プロローグで関連性を明かしているのですが、それでもさらに一ひねり加えています。
第3の殺人が東京で起こり、全体の2/3を過ぎたあたりで主張されるのが、この第3の殺人のアリバイ。実は以前に読んだ梓林太郎の某作に同じアイディアを利用したものがあるのですが、発表は本作の方が数年早く、しかもアリバイにはそれ以外の工夫も取り込み、はるかに複雑にできています。

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