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ミステリの祭典

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リアル怪談 寄せられた「体験」
阿刀田高編

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日2011年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2020/08/22 22:13登録)
真夜中のマンションのエレベーター、観客が独りきりの映画館、さびれた京都のホテル、ある有名な幽霊トンネル…。世にも不思議な体験をした人から編集部に寄せられた「奇妙にこわい話」。
『BOOK』データベースより。

1998年から2002年までに読者から寄せられた投稿を集めた、『奇妙に怖い話』シリーズの中から優秀作30編を収録した短編集。ショートショートに近く、2ページから8ページくらいのボリューム。「体験」とありますが、ほぼ創作であろうことは想像に難くありません。ですから、生々しい怖さよりも人工的な作り物っぽさが強いです。しかし、素人とは言え、なかなか筆達者が集まっており、一篇残さず読ませてくれます。偶然とは思えないのでおそらく本人だと思いますが、長岡弘樹の名前が連なっています。他は知らない名前ばかりで、ペンネームを使っていない限りプロの作家は見当たりません。実は名前を変えて活躍している作家が居たりするかもしれませんが。

今の季節には、特に猛暑が続いている日本列島では持って来いの作品集ですが、ゾッとする程の怖さがないので、怪談としてはやや物足りなさを覚えます。奇妙に怖い話だから、不条理な感じとかやや捻り足りないとかが多いですかね。ミステリとして面白い短編に仕上げられそうなものもあったり、楽しませてもらいました。

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