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ミステリの祭典

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地獄の門

作家 法条遥
出版日2012年03月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2020/08/12 22:09登録)
突如、地獄に落とされた良太。当惑する彼が美しき悪魔から知らされたのは、自分が何者かによって殺されたという事実だった!だが彼は、密かに、そして綿密に、犯人への復讐を企てる。―悪魔を騙すのだ。記憶を持ったまま転生し、『奴』を討つために。一方現世では、恋人であり刑事の愛が、良太殺害犯への憎悪をたぎらせていた。地獄と現世、2つの世界が織りなす物語が迎える、驚愕の結末とは!?異色のホラーミステリ。
『BOOK』データベースより。

美しい。構築美ですね。
隅から隅まで計算されつくされた緻密なプロットには脱帽です。物語は二人の主人公、佐藤良太の地獄篇と三浦愛の現世篇とが交互に同時進行し、それぞれが何らかの思惑を抱えて謎めいた動きを見せます。しかし、読者にその狙いを悟らせることなく、刻々とカタストロフィに向かって確実に進みます。あれこれ書くとネタバレになりますので、これ以上は無粋というものでしょう。

多分読み返してみると、そこここに伏線が張り巡らされているものと思われます。何に対する伏線なのか、それはここでは言えません。まあとにかく読んでみていただきたいですね。折角の傑作なのに、あまりに世に知られてなさすぎかと感じます。古書店ででも見つけたら速攻で購入されることをお勧めします。私自身、これほど面白いとは想像も出来ませんでしたけどね。

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