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ミステリの祭典

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フランケンシュタイン家の双子

作家 ケネス・オッペル
出版日2013年04月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 まだ中学生(仮)
(2020/08/11 20:01登録)
時代はフランス革命の最中。舞台は都市国家ジュネーブの市街から6キロほど離れた村のはずれ。主人公は、共和国に4人いる行政長官の息子ヴィクター。双子の兄コンラッド、遠縁の少女エリザベス、3人の親友で詩人肌のヘンリーが脇を固めている。
4人はそれぞれ性格が違っていながらも仲良く過ごしていたが、ある日、コンラッドが原因不明の病気で倒れるところから物語が始まる。
近代科学が隆盛になりつつある時代でもまだ、魅力を持っていた錬金術、それを核に、おどろおどろしい恐怖小説の不気味さをたっぷり絡め、愛と友情と嫉妬と裏切りの冒険小説が展開する。
それに色を添えるのが、コンラッドとエリザベスの淡い恋と、そんな二人に抱くヴィクターのぎこちない気持ち。文学馬鹿のヘンリーもいい味を出している。最後の最後まで予断を許さない展開と、圧倒的な迫力が素晴らしい。

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