home

ミステリの祭典

login
シャーロック・ホームズ事典
ジャック・トレイシー

作家 事典・ガイド
出版日2000年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 弾十六
(2020/07/23 05:19登録)
日本 Japan 東アジアにある帝制の島国。推定人口、五千万。トレヴァ老人は日本を訪れたことがあった(グロリア・スコット号)。ハロルド・ラティマの家には日本の甲冑が…(以下、略)
原著1977年出版(翻訳1978年。パシフィカのシャーロック・ホームズ全集 別巻として。現在は新版が出てるはず)、著者の編集方針は「ホームズが知悉していたヴィクトリア朝の知識で全て説明すること」
素晴らしいアイディアで、内容も忠実にその方針で記されている。(大体1914年ごろの観点で書かれているはず)
人名、地名、建物、事柄、商品名、など、大抵の項目は網羅している感じ。シャーロッキアンが積み上げたトリビアの重みを感じる。(オレンジは出てくるがリンゴは出てこないらしい、とかのクイズねたにも使える)
拳銃関係では「まだらの紐」に出てくる有名な「イーリ型2番の拳銃」は「イーリ・ブラザーズ(Eley Bros.)」の項に出ている。日本語の表記の揺れで探しにくい場合は、現綴の索引があるので、そこで探すことが出来る。(ただし、項目の索引なので、記述に出てくるgunとかは探せないのが残念。
特約(プライヴィット)ホテル(緋色等に出て来る)は「ホテル」の項に「酒の販売を許可されていない」と書かれており、そーゆーミニ知識もさりげなく埋め込まれている。こーゆーヴィクトリア朝の背景知識がもっと充実していれば、さらに良い事典となるのだが…
パシフィカ版は何度もひもとくと、背の造本が弱いので、ページがバラバラになりそうな感じが残念。少なくとも事典を想定した作りではない。
同趣向で一貫したペリー・メイスン事典は無理だろう。何せ活躍期間が1933-1969と長すぎる。どの時代にフォーカスを当てるか迷うし、デラの美魔女ぶりを突きつけられるのは嫌だ(1933年の設定では約27歳、とすると…)。

1レコード表示中です 書評