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ミステリの祭典

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六月のカラス
藤林章一郎シリーズ

作家 斎藤澪
出版日1988年04月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 nukkam
(2020/07/22 20:55登録)
(ネタバレなしです) 1988年発表の本書は「地下廃駅ホーム殺人事件」の副題を持つ、全4作(?)の藤林章一郎シリーズの第1作である本格派推理小説です。本格派といっても読者が自力で推理して謎解きできる要素はほとんどありませんが。始発前の地下鉄のホームでカラスの群れが目撃され、駅員たちが調べるとトンネル内で死体が発見されます。被害者や犯人の行動経路も謎ですがカラスがどこから侵入したかの謎がユニークで、駅のシャッターが閉じられていることから「密室」の謎扱いされています。そのトリックはまあ妥当なトリックだと思いますけど、でもこれって禁じ手とされる「秘密の通路」トリックと大差ないですね(笑)。藤林は探偵としてはそれほどぱっとしないし、平凡な捜査小説にしか感じられませんでした。

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