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ミステリの祭典

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トップラン 最終話 大航海をラン
トップランシリーズ

作家 清涼院流水
出版日2001年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2020/07/17 22:12登録)
2001年1月1日―新世紀の到来と同時に、世界は神々しいまでの輝きに包まれる。20世紀までに書かれたあらゆる小説ジャンルと隔絶する方法論でつくられた新しい物語。21世紀「娯楽小説以降」を鮮烈に印象づける書き下ろし文庫シリーズ『トップラン』完結作にして、清涼院「流水大説」の揺るぎない到達点。問答無用の最高傑作、ここに誕生。
『BOOK』データベースより。

傑作『コズミック』に通じるものがある事に好感を抱く一方、そのスケールの大きさに付いて行けない自分がいるのも実感しました。そこまで話を広げるか、というのが率直な意見。ただ、これまで様々な謎を孕んだ物語に終止符が打たれるのに相応しい内容だったとは思います。そして、一応すべての謎に回答が提示されています。
一つだけ、何故恋子だったのか?という素朴な疑問は不透明で、やはり狙いは別にあったという事なのか、言明されていないのが不満です。

トップラン・テストに始まったシリーズですが、このテスト、相手の狙いをある程度推察すれば、誰でも高得点が得られるところに捻りが加わっていなかったのは、ダメじゃないでしょうか。結局作者の自己満足の為に書かれた本作であり、自画自賛してこれまでの最高傑作と称していますが、それは客観的な事実とは異なると言わざるを得ませんね。あくまで本シリーズの売り上げに少しでも貢献するための方便だと思います。そりゃ誰でも作家たるもの自身の書いた作品が可愛くないはずがないでしょうけど、己の感情に本当に正直なのか疑問を覚えるところです。まあ努力賞として6点付けますけど。

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