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ミステリの祭典

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星虫
改題/『星虫年代記1  星虫シリーズ』

作家 岩本隆雄
出版日2000年06月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2020/07/12 22:16登録)
宇宙に憧れ、将来は宇宙飛行士としてスペースシャトルを操縦することを夢見る高校生・氷室友美。そんな彼女が夏休み最後の夜に目にしたのは、無数の光る物体が空から降ってくる幻想的な光景だった。後に“星虫”と呼ばれるこの物体は、人間の額に吸着することで宿主の感覚を増幅させる能力を持った宇宙生物で、友美もすっかり星虫に夢中になってしまう。ところが、やがて人々の額で星虫が驚くべき変化を始めて―。幻の名作が大幅な加筆の上、復活。
『BOOK』データベースより。

10才くらいの頃に読みたかった作品。ラノベSFと言うか、ジュブナイルと言うべきか。考えてみればかなり無茶苦茶な話ですが、その設定がなければ成立しない物語なので、そこには目を瞑るしかないでしょうね。主人公の友美と寝太郎はともかく、脇役キャラのディテールをもう少し細かく描いて欲しかった気もします。そうすればラノベとしてもっと面白い作品に仕上がったのにと思います。まあそれでも、読んでいる時のワクワク感はなかなかのもの。

特に瞠目すべきは最終章ですね。ここまで感動的な展開が待っているとは、思いもよりませんでした。意外な伏線も張ってあり、そこでそう繋がるのかと感心もしました。しかし、流石に星虫の正体にはあまりのリアリティのなさにちょっとがっかりしましたね。それでも総じて高評価なのは友美と寝太郎のキャラの良さによるところが大きいのかなと思います。
確かに幻の名作と言ってもあながち間違いではないかも知れません。

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