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ミステリの祭典

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「六大都市」Kの殺人
上原恭平シリーズ

作家 矢島誠
出版日1988年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2020/06/22 21:42登録)
(ネタバレなしです) 1988年発表の上原恭平シリーズ第2作の本格派推理小説で、恭平は「霊南坂殺人事件」(1988年)での活躍を評価されて警部補に出世しています。六つの大都市にバラバラにされた身体の一部が送られるという派手な猟奇殺人が起きますがその後の展開はとても地味です。地味なのは必ずしも弱点ではありませんが本書の場合、不自然感が強かったです。死体と一緒に送られたメッセージですが、警察関係者以外に公表されない(伝えたい相手にメッセージが伝わらない)可能性を犯人は考えなかったのでしょうか?また4年前の自殺事件の関連づけも弱いと思います。作者はトリックと人間模様の両方に力を入れたと自負していますが、トリックはかなりご都合主義的に成立させているし被害者の姉以外は人物描写がぱっとしません。

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