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ミステリの祭典

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三毛猫ホームズの騎士道

作家 赤川次郎
出版日1983年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 パメル
(2020/06/22 19:03登録)
舞台はドイツ・ロマンティック街道沿いにある古城。そこは中世さながらに秘密の抜け道や武器、拷問用具らが残る陰鬱な雰囲気。
冴えない片山刑事に、三毛猫ホームズが意外性に富んだ推理結果をどう受け止めさせるのかなど、ユーモラスなタッチで描かれているが、超自然やファンタジーではなく、犯人探しの興味で引きずり込む本格推理小説になっている。
典型的なクローズド・サークルもので、その設定を遺憾なく発揮し意外な真相まで引っ張っていく。謎の女性の歌声あり、密室トリックあり(なかなかの出来)、ある人物の意外な正体も効いている。
厳密にいうとアンフェアな部分もある。ラストの一行は、作者は単なるオチとして書いたのかもしれないが、ミステリにおけるCC物のある種の馬鹿馬鹿しさを批判しているように思える。

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