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ミステリの祭典

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お引っ越し

作家 真梨幸子
出版日2015年03月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 E-BANKER
(2021/03/21 10:14登録)
~片付かない荷物、届かない段ボール箱、ヤバイ引っ越し業者、とんでもない隣人・・・きっとアナタも身に覚えのある引っ越しにまつわる6つの恐怖!~
ということで、「引っ越し」テーマの連作短編集。2015年発表。

①「扉」=謎の「扉」の向こうには何がある・・・ということで実際「何か」があった! で、その「何か」が問題。でも途中夢オチっぽい仕掛けが何回か続いて、よく分からない感じに・・・
②「棚」=不要なものを捨てようとして、仕分けしてたら、懐かしいものがどんどん出てきて、あーあ時間が過ぎていく・・・ということはよくある。で、最後は急に時間軸が怪しくなって・・・???という状況。
③「机」=決して開けてはいけない机の引き出し。それを開けると、奥に挟まっていた書類にある文章が・・・。恐ろしい想像をした割に大したことではないと思ってたら、そうでもなかった!
④「箱」=こんなに大きな社内でこんなに大掛かりな引っ越し作業するのは結構キツイ。ついでに社内には有象無象な「局」やら「怪人物」たちが・・・で、最後は「無」。
⑤「壁」=壁と言えば「隣人トラブル」。これは・・・あるよなぁー。でも、想像してたのと違った結果、エライ結末を招くことに・・・
⑥「紐」=今度は謎の「紐」。確かめずにはいられない主人公は結局・・・「無」。

以上6編。
スルスル読めるのがまずは良いところ。「引っ越し」という身近なテーマと「引っ越しあるある」的ネタで万人ウケする作品には仕上がってる。
各編は一応独立しているけど、謎の管理人”アオシマ”が全編に登場し、緩く世界観が繋がっていることを示唆する。(実際①と⑥のマンションは同じだしね、って全部同じマンション?)

まぁそれほど大きな仕掛けはないし、ホラーというほど怖くはないので、中途半端といえば中途半端。
隙間の読書にはちょうど良い。
(独身時代の引っ越しは楽だったけど、家族が増えての引っ越しはキツイ)

No.1 7点 ミステリーオタク
(2020/06/17 17:45登録)
作者の得意分野の一つ、「怖い系」の短編集。


[扉] 並みの(よりちょっと捻りの効いた)ホラーサス。

[棚] なかなかトリッキーなホラータッチミステリー。

[机] こういうのはあまり好きじゃない・・・が、さすがマリ先生、テクニシャン、凡作は書かない。

[箱] 凡作。
   陰湿なババアどもがいいねえ。

[壁] 怖いね。

[紐] 最終話らしいと言えば、らしいが、もう一押し欲しかったかな。


全編通してとにかく読みやすい。スナック菓子をポリポリつまんでる感じ(たっぷりマリ味つき!)で読め、気がついたら読了している。
ホラーダメじゃない人には一読オススメ。

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