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ミステリの祭典

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幽式

作家 一肇
出版日2008年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2020/06/16 22:05登録)
いるのかいないのか誰もが定義できない幽かな存在―亡霊。皇鳴学園高等学校一年、渡崎トキオはヘタレなうえに霊体験皆無のオカルトマニア。そんな彼の呑気な日常は、奇人にして美貌の転校生・神野江ユイと出逢ったことから揺らぎ始める!神野江は言う―「すべてが、逆なのだわ」。赤く染められた部屋、口にすると憑かれる言葉…この世にひそむ“霊かなもの”を次々と暴く神野江ユイに圧倒されながら、トキオが最後に辿り着いた彼岸の真実とは―?新感覚学園オカルティックホラーここに登場。
『BOOK』データベースより。

ホラーと言うよりオカルトですね。誰も彼も常軌を逸しているのに、物語として破綻していません。所謂情緒不安定な主人公の一人称で、それに対応するトリックも用意されています。と言っても、決してミステリではありませんので。
派手さはありませんが、神野江ユイがたまに暴走し、時ににオカルトサイト「異界ヶ淵」の管理人クリシュナ先輩がトキオを諫めるといった図式で物語は進行していきます。勿論、トキオにもユイにも重い過去という十字架を背負わされており、トーンは終始暗いです。それにしても、神野江はゲロ吐き過ぎ。

ラストは意外にも爽やかで救いがあります。どこがどうとは言えませんが、何か面白かったですね。リーダビリティも優れていて、オカルト好きな人にはお薦めです。装画、挿絵は好みではなかった、ちょっと酷いですね。

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