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ミステリの祭典

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捕物帖の百年
野崎六助

作家 事典・ガイド
出版日2010年07月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 クリスティ再読
(2020/06/09 10:20登録)
ミステリ史を通説した本なんて腐るほどあるけど、捕物帳を通説した本って希少価値だ。評者最近捕物帳づいてるから、参考資料として読んでみた。
本著は二部構成で、前半は半七・右門・平次の三大捕物帳を40ページ弱ですっとばし、佐七・若さま・顎十郎・安吾、それに夢野久作と周五郎が「捕物帳を書けなかった」考察で出来ている。後半は戦後の捕物帳をとにかく数を紹介する、というかたちで33シリーズを紹介。
まあ評者が本著を「事典・ガイド」に分類したことからも推察できるだろうけど、1章使って論評している佐七・若さま・顎十郎・安吾でも、評論としては中途半端でかつ全体的な一貫性がなくて、キママなエッセイくらいのものでしかない。そもそも半七・右門・平次の三大捕物帳を40ページ弱ですっ飛ばそう、というのだから、本格的に歴史を書こうという気はサラサラなくて、著者が「自分が書ける(得意な)内容程度で」書いたくらいのものと見た方がいいようだ。面白味があるのは夢野と周五郎が「捕物帳を書けなかった」考察の2章くらいなので、とってもじゃないが通史とも評論集とも呼び難い。なので、最低「事典・ガイド」くらいにはなるよね?ということで、このカテゴリ。
野崎六助って読んだことなかったが、評論家としてはあまり出来がいいようには思えないな.....求むマトモな捕物帳通史。

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