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ミステリの祭典

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まどろむベイビーキッス

作家 小川勝己
出版日2002年09月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点 メルカトル
(2020/06/02 22:15登録)
みんなと仲良くしたかった。いじめられたくなかった。邪険にされたり、疎んじられたりするのはもうたくさんだった。だから、だから…。キャバクラ「ベイビーキッス」で働く風間みちる。家ではSHIHOという名前でホームページを作り、訪れる人たちとのやり取りを楽しんでいた。ところが彼女の一言が「荒らし」を呼んでしまう。また仕事上でも他のキャバクラ嬢との関係が悪化し―。哀しい狂気が暴発する究極のエンタテインメント。
『BOOK』データベースより。

これは誰が見ても駄作でしょう、と思ったらそうでもなかったようです。108円じゃなかったら買わなかったとは言え、こういうのを読んだ自分が情けなくなります。いえ、作者が悪い訳ではありません、作家でも調子の悪い時もありますから。あくまで購買者の自己責任ですね。
一応ジャンルとしては倒叙物だと思いますが、虐められて、それが原因でアリバイトリックを考案し、殺害する。それだけで、そこに至るまでのプロセスが完全に排斥されており、どう言った心理状態で殺しに傾いたのかが全然語られていません。短絡的というか、どうにも解せないことが多すぎます。

イジメられたから殺す、誰にも愛されないから皆殺しにする、あまりにもいい加減過ぎませんかね。ネットでのやり取りや荒らしの実態、キャバクラ嬢同士の心理戦といったありきたりなテーマもうんざりですし、メイントリックもミステリ読みには驚きに値しないチャチなものでしょう。

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