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ミステリの祭典

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スクエア
横浜みなとみらい署暴対係

作家 今野敏
出版日2019年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 HORNET
(2020/06/02 22:33登録)
 山手町で殺された中国人の捜査に、管轄外でありながら「ハマの用心棒」諸橋が呼び付けられた。どうやら不動産詐欺が絡んでいそうな事件だが、神奈川県警本部長・板橋は諸橋たちが気に入らない様子。さらに捜査のお目付け役に、天敵とも言える県警監察官・キャリアの笹本がつくことに。疎んじる諸橋と相棒の城島だったが―

 暴力団とのかけひきや暴力的な対峙もいとわぬ諸橋らと、綱紀と公正を重んじる警察組織とのぶつかりあいの面白さは相変わらずだが、今回は綱紀粛正の筆頭・笹本が諸橋&城島コンビと共に行動するところに面白さが凝集されている。正論からすれば完全に逸脱している諸橋&城島コンビ、監察官として苦言を呈し続ける笹本。だが、行動を共にするうちに、相対する考え方の両者だからこそバランスが保たれている構図が浮かび上がって来る。
 暴力団が絡んだ事の真相は多少複雑ではあるが、整理して捉えられればそれほど難しくはない。なるほどと思えるからくりがちゃんとある。
 唯一、神野一家の関わり方が、本シリーズの中では浅めだったかなぁ…

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