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ミステリの祭典

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幻の女殺人事件

作家 福田洋
出版日1987年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2020/05/29 21:22登録)
(ネタバレなしです) 1987年発表の本書は光風社ノベルス版ではクライム・ノベル、光風社文庫版では本格推理と紹介されています。本格派推理小説が大好きな私は後者であってほしいと祈るように(大袈裟だ)読みましたが...、これは警察小説ですな(笑)。駐車中の車の中から金融会社社長の死体が発見されますが、捜査が始まったばかりのところへ社長を名乗る男から金を送れという電話が入ります。銀行を張り込んだ警察は金を取りに来た男を逮捕、男は殺人については潔白を主張するもあっという間に裁判です。もちろんこれで解決ではなく、アリバイ証人が登場して捜査やり直しです。しかも今度はこのアリバイ証人が殺されるのです。捜査線上に謎の女が浮かび上がり、刑事たちがあれこれ推理しながら追い求めますがなかなか尻尾を掴めない展開はなかなかの読み応え。しかし第7章で唐突な重要証言が出て解決に向かうという幸運(犯人には不運)が安直過ぎてがっかりです。この証言につながりそうな伏線を前もって張る工夫があればもっと高く評価できるのですが。もっともその後も犯人に迫る捜査側とぎりぎりでかわす犯人側との攻防がスリリングで、読者が犯人に共感するような仕掛けを織り込んでいるのも効果的。幕切れも余韻を残します。

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