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ミステリの祭典

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人牛殺人伝説

作家 宗田理
出版日1986年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2020/05/27 21:08登録)
(ネタバレなしです) 「ぼくらの七日間戦争」(1985年)を始めとする「ぼくらの」シリーズで有名なためか子供向け小説家のイメージが強い宗田理(そうだおさむ)(1928-2024)ですが、初期には社会派推理小説なども書いていました。1986年発表の本書ですが角川文庫版では「フーダニットの本格推理小説」と紹介してあったので本格派好きの私は読んでみましたが、何かが違う...。前半は中国残留孤児の母親探しとその情報提供者が次々と殺される事件を絡めた社会派風な展開ですが本格派らしさもあるプロットです。ところが後半になると企業脅迫と重役誘拐事件を前面に出した警察小説要素が濃くなって前半で活躍を期待されたアマチュア探偵はほとんど出番がなくなります。ジャンルミックス型としてこれはこれでありだと思いますが、読者が自力で犯人当てに挑戦できる作品を期待してはいけません。

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