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ミステリの祭典

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デッドマンズショウ 心霊科学捜査官
心霊科学捜査官シリーズ

作家 柴田勝家
出版日2017年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2020/05/26 22:22登録)
ドキュメンタリー映画の主役が次々とバラバラ死体で発見されるストーリー。怪しい人物がてんこ盛りでオカルティックな雰囲気も出しつつ、本格警察小説そして本格ミステリとして機能する完成度の高い作品。最後の最後まで良く練り込まれたミステリだと思います。ジャンルは警察小説としましたが、これは本格ミステリとしても十分通用します。
途中、霊気(りょうき)や怨度(おんど)といった造語がややこしく思えることもありましたが、そういった心霊、オカルト的な要素を排除しても作品として成立しています。ですから、殊更心霊科学というタイトルに惑わされる必要はないでしょう。それらを切り離しても、十分に楽しめます。
特に意外な犯人、足跡のトリックの斬新さ、死体をバラバラにした動機の必然性など、目を瞠るものがあります。また、キャラクター小説としても優れており、主要キャストの三人の個性が光る娯楽作にもなっています。ただ、主役の陰陽師、御陵清太郎の土佐弁だけは頂けないですけど。

これだけの傑作が世に埋もれているのは残念な限りです。この作者を読むのは二作目ですが、かなりの手練手管ぶりを発揮しているように思います。もっと注目、評価されても良い作家ではないですかね。
本シリーズも三作発表されていますし、まだまだ楽しませ貰えそうです。

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