“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 |
---|
作家 | 高木敦史 |
---|---|
出版日 | 2010年08月 |
平均点 | 4.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 4点 | メルカトル | |
(2020/05/24 22:30登録) “菜々子さん”が突然、3年前の事故は「事件だった」と語り出した。それは病床の僕にとってもはや検証不能な推理だけど、自然と思考は3年前に飛んでいた。そういえば、あの頃のキミって、意外と陰険だったよね―。“菜々子さん”が語る情報の断片は、なぜか次第に彼女が真犯人だと示し始める。“菜々子さん”が暴こうとしている真相とは一体!?可憐な笑顔の下に、小悪魔的な独善性が煌めく、まったく新しいタイプのヒロイン誕生。 『BOOK』データベースより。 Amazonの書評のあまりの高さに驚きを隠せません。またしても世評と己との乖離をつくづく思い知らされました。読者層がラノベ読みだから、その中身に物珍しさを感じたのか、ミステリ部分が目新しかったのか分かりませんが、そんな阿保なと思います。 ライトノベルのつもりで読んだのに、へヴィノベルだし、事件やトリックのあまりのショボさにがっかりだし、誰にも感情移入できないし、キャラも好きになれないし、どうでも良い描写が半分以上を占めているし、青春ミステリなのに清々しさの欠片もないし、その他諸々。褒めるべき点が一つも見当たりません。最終章までは0点でしたね。だから1点にしようと思っていましたが。 最終章とエピローグでちょっと盛り返し、評価点の底上げをせざるを得なくなりました。しかし、そこも回りくどいです。この人は、ラノベやミステリを書いちゃいけないと感じます。だったら何だったら良いのか、純文学でも志した方が賢明じゃないでしょうか。 尚、本作はスニーカー文庫の学園小説大賞優秀賞受賞作です。ホンマかいな。 |