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ミステリの祭典

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色町のはなし―両国妖恋草紙

作家 長島槇子
出版日2010年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 小原庄助
(2020/05/07 10:11登録)
見世物小屋や岡場所が並ぶ両国界隈の悪所を舞台に、御家人の冷や飯食いで女好きの萬女蔵が直面する怪異を描いている。
殺された人間の霊が、生きた恋人を救おうとする「とんでも開帳」、ある男が異形の娘に恋する猟奇的恋愛譚「因果物師」、寺の和尚が男色相手に似せて作った人形が、時を超え不思議な事件を巻き起こす「若衆芝居」、男の精気を吸う美女のアヤカシを描く泉鏡花を思わせる幻想小説「水の女」...。                                                        著者はセックスという人間の「生」の最も生臭い部分と、その対極にある「死」を対比しながら、あやしくも切ない物語をつむいでいく。個人的には、エロのなかに怖さと笑いを織り込んだ「四ツ目屋の客」が、最も気に入っている。

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