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ミステリの祭典

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荒潮

作家 陳楸帆
出版日2020年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 糸色女少
(2020/05/10 16:06登録)
舞台は、中国南東部のゴミ捨て場、通称「シリコン島」。土俗的な迷信や封建的因習が根深く残るこの地域には、世界中から産廃ゴミが寄せられ、グローバル資本主義の格差を象徴する場でもある。
主人公の米米は電子ゴミから資源を掘り出す最下層労働者だが、国際的大資本が登場したことですべてが変わり始める。彼女は環境整備に翻弄されながらも、新たな生き方を求めて跳躍し、自身の恋をも踏み越えて、自らモンスター化していく。しかも、この地域をめぐる再生計画や争奪戦には、世界のありようを変えてしまうような秘密の最先端技術も絡んでおり、リアルな細部の描写とパワフルな展開が圧巻。

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