ママ |
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作家 | 神津凛子 |
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出版日 | 2020年01月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | 猫サーカス | |
(2020/05/01 17:35登録) イヤミスといえば、湊かなえ、真梨幸子、秋吉理香子などが健筆をふるっているが、この作者の場合は、おぞましさが増しているので「オゾミス」と呼ばれるようになった。シングルマザーが男に拉致・監禁される物語で、ぞっとする場面の連続のなか、隠された動機と家族の秘密が明らかになるサスペンス。後半は監禁小説という構造なので前作よりも単純であるが、犯人との対峙、拷問(映画「マラソンマン」を彷彿させるほどの戦慄)などにひねりがあり、動機へとつながる過程に緊張感がある。幼い娘の視点を採用しての背景説明と家族愛への主題収斂も良く、おぞましさの解毒にもなっていて実に巧み。 |