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ミステリの祭典

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店長がバカすぎて

作家 早見和真
出版日2019年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 HORNET
(2020/04/29 16:24登録)
 〈武蔵野書店〉契約社員の谷原京子は、本をこよなく愛する書店員だが、常々「ここを辞めよう」と考えている。その主な原因は店長の山本猛。毎朝、店員たちのイライラを尻目に無意味な訓示を垂れ流し、人の名前も間違えるほどの「バカ店長」。実家である料理屋に行っては、同僚の前でそのグチを吐き散らす毎日、来る日も来る日もバカな店長、バカな客、バカな作家の相手をさせられ、トラブルに巻き込まれ―
 正直言って最大の胆となる謎は、ミステリ慣れしている皆さんなら第一話で早々に看破できてしまう。面白いのは「書店」の実情(?)を描いている様で、書店員の評価が高いのも同業種で共感を得ているからだと推察される。(本当にこんな風なんだろうか?特に年末の「報奨金」獲得のための購入ノルマとか…)
 とはいえ部外者の我々が読んでもそれは面白いし、ある意味「謎の一つ」である店長の本性は最後まで分からなかった。
 コミカルでありながら時折心を打ち、読み物としてかなり楽しめる作品。「イノセント・デイズ」とはまったく作風が違い、作者の振れ幅を感じることができた。

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