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ミステリの祭典

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ミステリマガジン1984年1月号
女流作家特集

作家 雑誌、年間ベスト、定期刊行物
出版日不明
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 弾十六
(2020/04/25 22:27登録)
HAYAKAWA’S MYSTERY MAGAZINE 1984年1月号 <333>
女流作家特集。234ページ。定価580円。
表紙イラストは岡本 信治郎、表紙・扉・目次構成は島津 義晴と野々村 晴夫。表紙はMECHANICALの文字、銃を発射する探偵(自動人形?)とゼンマイのネジ。裏表紙の広告は大塚製薬 カロリーメイトとポカリスエット。
フィリップ・ロスの翻訳などでお馴染み(じゃないかなあ)青山 南の「ハメットにダッシュ!」の連載があったのを思い出し、単行本化されてないようなので、掲載年のHMMを大人買い。新たな発見があったけど、昔好きだった青山 南の筆風が今の好みからかなり外れていることに気付いてちょっとショック… 特集の女流作家ではセイヤーズの現行本が『ピーター卿の事件簿』しかないのは残念!いつか全貌を…と張り切ってる浅羽姉さん、これもその後の展開を知るものにとっては感慨深い…
雑誌全体の暫定評価は5点として、収録短篇を読んだら追記してゆきます。
小説は12篇。以下、初出はFictionMags Index調べ。カッコ付き数字は雑誌収録順。
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⑴ A Machine to Say Hello by Henry Slesar (初出 HMM 1984-1書き下ろし)「ハローという機械」ヘンリイ・スレッサー 朝倉 隆男 訳(挿絵 細田 雅亮)
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⑵ Means of Evil by Ruth Rendell (単行本1979)「悪の手段」ルース・レンデル 深町 眞理子 訳(挿絵 山野辺 進)
ウェクスフォード主任警部もの。
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⑶ Akin to Love by Christianna Brand (初出Rogue 1963-4)「愛に似て…」クリスチアナ・ブランド 吉野 美恵子 訳(挿絵 中村 銀子)
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⑷ Silence Burning by Helen McCloy (単行本“The Singing Diamonds” 1965)「八月の黄昏に」 ヘレン・マクロイ 嵯峨 静枝 訳(挿絵 佐佐木 豊)
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⑸ Cardula and the Locked Room by Jack Ritchie (初出AHMM 1982-3-31)「カーデュラと鍵のかかった部屋」 ジャック・リッチー 島田 三蔵 訳(挿絵 畑農 照雄)
ジャック・リッチー(1922-1983)追悼。
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⑹ The Vindictive Story of the Footsteps That Ran by Dorothy L. Sayers (初出 単行本“Lord Peter Views the Body” Gollancz 1928)「逃げる足音」 ドロシイ・L・セイヤーズ 浅羽 莢子 訳(挿絵 佐藤 喜一): 評価5点
ピーター卿もの。仲良くバンターを連れて友人宅へ。二階の足音が気になるピーター卿。謎に魅力が無く平凡作。
p118 誘われても主人と食卓を共にしないバンター: 執事道を追究する男。
p118 一九二一年の平和な夏の日曜の午後(a Sunday afternoon in that halcyon summer of 1921): 本作冒頭のピーター卿の言動からWhose Body事件(私の推定では素直に読めば1920年だが他の情報から考えると1921年か1922年の「11月」)の後っぽい。ピーター卿最初の事件アッテンベリー事件は公式発表によると1921年(季節不明)なので、その後に遭遇した事件だとすれば、一応、年代記に収まるものの、繋がりが悪い。作者の念頭にはWhose Bodyの当初の設定年である1920年があったのだろう。
(2030-4-25記載; 2020-4-26修正)
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⑺ The Golden Girl by Ellis Peters (初出This Week 1964-8-16)「黄金の娘」 エリス・ピーターズ 山本 俊子 訳(挿絵 天野 喜孝)
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⑻ The Listening by Celia Dale (初出AHMM 1981-6-22)「聞こえる」 シリア・デイル 大村 美根子 訳(挿絵 佐佐木 豊)
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⑼ The New Broom by Donald Olson (初出AHMM 1981-10-14)「新米掃除婦」 ドナルド・オルスン 山本 やよい 訳(挿絵 細田 雅亮)
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⑽ Inspector Gothe and the Miracle Baby by H. R. F. Keating (初出Catholic Herald 1970-12-4 as “Inspector Ghote and the Dangerous Baby”)「ゴーテ警部と奇跡の赤ん坊」H・R・F・キーティング 望月 和彦 訳(挿絵 畑農 照雄)
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(11) My Christmas Carol by Budd Schulberg (初出不明)「わたしのクリスマス・キャロル」バッド・シュールバーグ 沢川 進 訳(挿絵 中村 銀子)
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(12) Ask a Policeman (単行本1933) リレー小説『警察官に聞け』連載第1回 問題篇 ジョン・ロード(John Rhode)
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HMM OPENING FORUMとして
『カトリーヌ・アルレー会見記(長島 良三)』来日した機会にインタビュー。アルレーはアイリッシュとハドリー・チェイスから影響を受けた、と言っている。『海原翔ける淑女たち(高橋 泰邦)』大阪帆船祭りの記事。8カ国10隻が集ったイベント。
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読み物は
『第14回バウチャーコン(E・D・ホック/早川 浩)』ニューヨーク開催のレポート。『続・桜井一のミステリマップ: ゴーリキー・パーク』人気企画の連載再開!『メグレのパリ(長島 良三)最終回 パリの女』街娼のインタビュー。『新・夜明けの睡魔/名作巡礼(瀬戸川 猛資)1』あらためて古典を振り返る試み。第1回目は総論。『フットノート・メロディ(馬場 啓一)13 ミステリに於けるブランデーについて』
『ハメットにダッシュ!(青山 南)1 ハンプティ・ダンプティ』オプがチビで小太りだというのに気付いてびっくりしている。
『推理作家の出来るまで(都筑 道夫)93 また多町がよい』EQMM日本語版、刊行前夜のドタバタ。表紙の抽象画採用はポケミスの成功体験から。翻訳者名は田村隆一案では小説の終わりにカッコで記す予定だったが乱歩に反対され撤回となった。誤訳やデタラメ訳が多かった従前の慣習を引きずらなくて良かった、と都筑は感じている。準備の途中で田中 潤司がいなくなった事情はうやむや。
『ジャック・リッチーを悼む(木村 二郎/丸本 聰明)』『連載対談 田村隆一のクリスティー・サロン1 ディクタフォンの秘密(数藤 康雄)』ファンクラブ結成のきっかけを語る。『ペイパーバックの旅(小鷹 信光)13 ジム・トンプスンのThe Killer Inside Me』この時点でポップ1280未読だったとは。『アメリカン・スラング(木村 二郎)1 私立探偵が多すぎる』『フィルム・レビュー(河原 畑寧)二重底の仕かけ』『ミステリがボクを育ててくれた(東 理夫)24 一年一度、一念発起』『愛さずにはいられない(関口 苑生)1 子供の顔は請求書』『名探偵登場(二上 洋一)13 白晢美貌の天才探偵 神津 恭介①』
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Crime Fileとして海外ミステリ情報を
『Crime Column(オットー・ペンズラー)25 探偵はルネッサンス型からスペシャリスト型へ』『Mystery Mine(木村 二郎)尋問自供パート2』『A J H Review(アレン・J・ヒュービン)‘82年下半期の評判作』『ペイパーバック散歩(宮脇 孝雄)P・ディキンスンの「ツルク」』『製作中・上映中(竜 弓人)』
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HMM Book Review(書評コーナー)
『最近愉しんだ本(石川 喬司)裸の特異点』『新刊評(芳野 昌之/香山 二三郎)』『みすてり長屋(都筑 道夫/瀬戸川 猛資/関口 苑生)』『ノンフィクション(高田 正純)』『日本ミステリ(新保 博久)』『チェックリスト&レビュー(山下 泰彦)』
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最後に『響きと怒り』『編集後記(S/N/K)』

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