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ミステリの祭典

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EQMM日本語版 1957年4月号 <10>

作家 雑誌、年間ベスト、定期刊行物
出版日不明
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 弾十六
(2020/04/25 21:07登録)
表紙は勝呂 忠。広告は裏表紙1ページ色刷り「住友海上火災」、裏表紙の内側1ページ白黒「江戸川 乱歩 海外探偵小説作家と作品」予約注文すると乱歩署名本が手に入るという。
定価100円(地方103円)、132ページ。
カットは吉田 政次。
古い作品が多くて嬉しい号。編集後記で都筑さんが「オールドファンに楽しんでいただく号」と言っています。
EQMM日本語版に載った小実昌さんの翻訳を追いかける企画です。
まだ途中ですが、暫定評価5点として、読んだら追記してゆきます。
以下、初出はFictionMags Index調べ。
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⑴ Crime Without Passion by Ben Hecht (初出The Grand Magazine 1933-9)「情熱なき犯罪」ベン・ヘクト 三樹 青生 訳
同名の映画の原作。
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⑵ The Dusty Drawer by Harry Muheim (初出Collier’s 1952-5-3 挿絵C. C. Beall)「埃だらけの抽斗」ハリイ・ミューヘイム 森 郁夫 訳
EQの解説(EQMM 1956-3)付き。
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⑶ I Killed John Harrington by Thomas Walsh (初出Collier’s 1937-6-12 as “Light in Darkness”)「俺が殺ったんだ」 トマス・ウォルシュ 中田 耕治 訳
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⑷ Pastorale by James M. Cain (初出The American Mercury 1928-3)「牧歌」 ジェイムズ・M・ケイン 田中 小実昌 訳: 評価6点
いかにもなハードボイルド風味の語り口。ただし私立探偵ものではない。田舎の犯罪の話。(だから「田園」というタイトルなのか) 小実昌さんの訳は快調。
p61 二十三ドル: 米国消費者物価指数基準1928/2020(15.09倍)で$1=1658円。23ドルは38134円。
p61 一セント銅貨…五セント貨…十セント貨(pennies... nickels... dimes): 当時のPenny銅貨は3.11g、Nickel貨は5.00g、Dime銀貨は2.27g、ということは$23なら全部Penny貨にすれば一番重くて7153gになる(一番軽くて522g)。7.153キロが全部Dime銀貨なら315ドル相当(=52万円)になるのだが…
(2020-4-25記載)
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⑸ £5000 for a Confession by L. J. Beeston (英初出1929年以前?、米初出EQMM1955-12)「自供書売ります」 L・J・ビーストン 田中 融二 訳: 評価6点
古めかしい意匠だが、野次馬根性を暴き立てられてるみたいで居心地が悪い… 手に汗握る、良い仕事。(2020-4-26追記: 博文館 世界探偵小説全集19 ビーストン集(1929)にこの作品の翻訳が収められているようだ。本作はこの作家としては珍しくない構成らしい。まあ大ネタは手癖としても周りを巻き込むシチュエーションが素晴らしいと思う)
p69 五千ポンド: これがいつの話だからわからないが、訳注では「約500万円」としている。(単純に当時のポンド円レート£1=約1000円を当てはめたもの。ただし日本物価指数基準1955/2015(6.07倍)なので当時の500万円は今の3000万円相当) 初出は1920年代と思われるので英国消費者物価指数基準1925/2020(61.20倍)で£1=8683円、5000ポンドは4342万円。ちなみにEQMMリプリント時の1955年英国基準(26.41倍)なら£1=3747円で、5000ポンドは1874万円となる。(英国物価と日本物価の推移が異なるので、このような結果となった。実感は英国物価で考えた方が適切だと思う。話の中身を考えると億単位が欲しいところだが…)
p70 イングランド銀行発行の100ポンド紙幣: お馴染みWhite Noteのこと。スーシェ版ポワロにもちょくちょく出てきます。100ポンド紙幣はサイズ211x133mm。文字だけのシンプルなデザイン、裏は白紙です。
(2020-4-25記載)
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⑹ The Ministering Angel by E. C. Bentley (初出The Strand Magazine 1938-11 as “Trent and the Ministering Angel” 挿絵R. M. Chandler)「優しき天使」 E・C・ベントリイ 深井 淳 訳
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⑺ Dime a Dance by Cornell Woolrich (初出Black Mask 1938-2)「死の舞踏」コーネル・ウールリッチ 高橋 豊 訳
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⑻ Ransom by Pearl S. Buck (初出Cosmopolitan 1938-10)「身代金」 パール・S・バック 大門 一男 訳
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読み物は
『ぺいぱあ・ないふ: フレドリック・ブラウン 火星人ゴー・ホーム』『海外ニュースCriminals at Large』『みすてり・がいど 第2講 探偵小説とはなにか』
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最後に
『編集ノート(都筑 道夫/福島 正実/田村 隆一/小泉 太郎)』豪華なメンツの編集部ですね…

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