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ミステリの祭典

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デルタの悲劇

作家 浦賀和宏
出版日2019年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2020/04/24 22:10登録)
ひと気のない公園の池で10歳の少年の溺死体が発見された。少年をイジメていたクラスメイトの悪童3人組は事件への関与を疑われることを恐れたが、真相は曖昧なまま事故として処理される。ところが10年後、少年の幼なじみを名乗る男が3人の前に現れ罪の告白を迫ってきた。次第に壊れゆく3人の日常。果たして少年を殺したのは誰なのか。人間の本性を暴き出し、二転三転しながら迎える衝撃の結末。予測不能の神業ミステリ!
『BOOK』データベースより。

これは二度読みしないとスッキリしないですね。ストーリーとしては決して複雑ではないものの、仕掛けは巧妙で最後まで読まないと何がしたかったのか理解できないと思います。
八木剛とか桑原銀次郎の名前を聞いてあれっと思わない浦賀ファンはいないでしょうが、なんと作中には作者自身の名前も登場します。相変わらずやってくれますね。よくここまで捻ったものだと感心します。

虐められて溺死した少年の死が果たして殺人だったのか事故だったのか、そもそもそこから謎が出発するのですが、そんなことは最終的には付け足しのようなものに成り下がって、読んでいてそれどころではなくなります。なんだかあっけない物語だったなと思っていたら、必ず足を掬われますね。そして頭が混乱すること必至です。良し悪し、好悪は別にしてなかなかできない読書体験をすることになると思います。
真っ当なミステリとは思いませんが、こういうのもあるんだと知って欲しいという気持ちはありますね。

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