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ミステリの祭典

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ミステリマガジン1976年8月号
20周年記念増大号

作家 雑誌、年間ベスト、定期刊行物
出版日不明
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 弾十六
(2020/04/05 17:50登録)
HAYAKAWA’S MYSTERY MAGAZINE 1976年8月号 <244>
20周年記念増大号。298ページ。定価700円。
表紙は真鍋博、ハートのジャックと数字の20がモチーフ。裏表紙の広告はマルゼン ポータブル タイプライター。
まだ途中ですが、暫定評価7点として、収録短篇を読んだら追記してゆきます。
リストを作ってて思ったんですが、挿絵の記憶が随分と残ってるもんですね… 内容はほとんど覚えていないのに…
書庫にあるハメット作品を初出順に読む試みの一環です。
以下、初出はFictionMags Index調べ。
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エッセイが豪華。巻頭は旧ポケミスやEQMM日本語版最初期の表紙と言えば…の勝呂忠による早川書房とのなれそめ話。次が真鍋博のHMM表紙の話(太田博[各務三郎]との電話会談形式。10周年記念号の表紙が最初だと言う)。これ、早川書房を追ん出されたらしい太田をさりげなく登場させる演出だったのでは?、と初めて気づきました。(私は太田編集長時代の変なHMMが一番好きなんです…)
続いて中島河太郎、植草甚一、扇谷正造、福永武彦、清水俊二、高橋泰邦、丸谷才一と言う重鎮の記念エッセイ。
田村隆一と都筑道夫の記念対談。創刊の頃の話がとても興味深い。
特別企画は「思い出の短篇ベスト3」識者、読者から思い出の三作を推薦してもらう試み。集計結果のベスト5は①魔の家の森JDC②おとなしい凶器Rダール③女か虎かFRストックトン④百万にひとつの偶然Rヴィカーズ⑤ジェミニイ・クリケット事件Cブランド
続いて記念エッセイは田中 西二郎、中田 雅久、結城 昌治、石川 喬司、田中 小実昌、稲葉 明雄(この編集長列伝が楽しい)の諸氏。
連載は『課外授業(青木 雨彦)32』『ミステリ時評What Is Your Poison(芳野 昌之)28』『ミステリ漫画(梅田 英俊)』『ニューヨーク便り(木村 二郎)最終回』『冒険者たち(鎌田 三平)5』『街角のあなた(雨)』『続パパイラスの舟(小鷹 信光)13』『ティー・タイム(宮脇 孝雄)5』
特別企画の座談会「翻訳は“女には向かない職業”か?」は青木 雨彦司会、小尾 芙佐、小泉 喜美子、深町 真理子という三傑の翻訳裏話。
短篇小説は16作品を収録。記念号だけあってビッグ・ネーム揃いです。
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⑴ The Blood Bargain by Eric Ambler (“Winter’s Crimes 2” 1970, ed. George Hardinge)「血の協定」エリック・アンブラー 菊池 光 訳(挿絵 金森 達)
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⑵ Hard Sell by Craig Rice [ghost written by Lawrence Block](初出Ed McBain’s Mystery Book 1960 #1)「セールスメンの死」クレイグ・ライス 浅倉 久志 訳(挿絵 畑農 照雄)
代作情報はFictionMags Indexより。ちょっとショック。
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⑶The Indivible Life, The Release by Cornell Woolrich (1967, 1970)「負け犬: 第1章 割りきれない人生、最終章 釈放」コーネル・ウールリッチ 永井 淳 訳(挿絵 山野辺 進)
解説は小鷹 信光。未完の長篇の第1章と最終章?
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⑷What Happened to Annie Barnes by Evan Hunter (初出EQMM 1976-6)「何がアニーに起ったか」エヴァン・ハンター 井上 一夫 訳(挿絵 中村 銀子)
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⑸「ハンバーガーの土曜日」片岡 義男(挿絵 佐治 嘉隆)
私立探偵アーロン・マッケルウェイもの。初登場と書いてある。
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⑹The Kidnapping by Henry Slesar (初出EQMM 1975-1)「誘拐」ヘンリイ・スレッサー 高橋 泰邦 訳(挿絵 浅賀 行雄)
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⑺Eight Minutes to Kill by Julien Symons (初出The Evening Standard 1957)「殺人への八分間」ジュリアン・シモンズ 風見 潤 訳(挿絵 佐治 嘉隆)
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⑻The Honest Swindler by Ellery Queen 初出The Saturday Evening Post 1971夏号 挿絵Albert Michini)「正直な詐欺師」エラリイ・クイーン 青田 勝 訳(挿絵 真鍋 博)
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⑼The Fall of a Coin by Ruth Rendell (初出EQMM 1975-6)「コインの落ちる時」ルス・レンデル 後藤 安彦 訳(挿絵 山野辺 進)
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⑽Old Friend by Dorothy Salisbury Davis (初出EQMM 1975-9)「二人の女」D・S・デイヴィス 深町 真理子 訳(挿絵 中村 銀子)
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(11)The Pasty by Robert L. Fish (初出EQMM 1976-6)「地下室の死体」ロバート・L・フィッシュ 宮脇 孝雄 訳(挿絵 畑農 照雄)
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(12)The Pond by Patricia Highsmith (初出EQMM 1976-3)「池」パトリシア・ハイスミス 小倉 多加志 訳(挿絵 村上 遊)
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(13)「しごき屋のしごきが鈍くなる時」日影 丈吉
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(14)The Man Who Stood in the Way by Dashiell Hammett (初出The Black Mask 1923-6-15 as “The Vicious Circle”、Peter Collinson名義)「厄介な男」ダシール・ハメット 丸本 聡明 訳(挿絵 金森 達): 評価4点
ハメット短篇第5番。穴が沢山開いてそうな残念な話。文章も締まらない。
(2020-4-5記載)
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(15)The Living End by Robert Bloch (初出The Saint Mystery Magazine 1963-5)「生きどまり」ロバート・ブロック 仁賀 克雄 訳(挿絵 楢 喜八)
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(16)The Affair of the Reluctant Witness by E. S. Gardner (初出Argosy 1949-4 挿絵George Salkin)「気乗りしない証人」E・S・ガードナー 尾坂 力 訳(桜井 一 訳): 評価7点
Jerry Baneもの。シリーズ第1作目のようだ(FictionMags Indexによると全2作)。レスター・リース風の楽しい話。ガードナーは読者の鼻面を引き回すのが上手い。
現在価値は米国消費者物価指数基準1949/2020(10.87倍)、$1=1194円で換算。
p282 三百八十七ドル引き出し超過: 46万円。銀行が気づく前に小切手を振り出せば、こうなるのかな?
p293 二十五セント: 299円。缶切り1つの値段。
(2020-4-5記載)
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他、評論が一本。
「主人公(ヒーロー)としての探偵と作家」ロス・マクドナルド 小鷹 信光 訳 (The Writer as Detective Hero (1964) by Ross Macdonald from “On Crime Writing” 1973)

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