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ミステリの祭典

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死はつぐないを求める
デイヴィッド・ブランドステッター

作家 ジョゼフ・ハンセン
出版日1980年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2020/03/30 23:15登録)
同性愛者の保険調査員デイヴ・ブランドステッター・シリーズの第2作です。本作でも最初に会う人から、「ねえ、ミスタ・ブランド―?」と言われる、覚えにくい名前の探偵役。
前作『闇に消える』における彼の私生活については記憶に残ってないのですが、ところどころに愛人ダグのことが出てきます。事件そのものにも同性愛が絡んでくる話になっていますが、デイヴ自身が同性愛者であることとの関連性がなく、2作目にしてこのモチーフへのこだわりに多少無理が出てきているようにも思えます。捜査小説としてはおもしろいのですが、謎解き的には、犯人が印象の薄い登場人物で、意外性があまり感じられないという不満がありました。
ハードボイルドらしい抑制された文章ですが、翻訳のせいなのか、三人称形式であるにも関わらず完全にデイヴの視点からのみ描かれているため、「私」でないことに違和感を覚えてしまいました。

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