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ミステリの祭典

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ブラック・トムのバラード

作家 ヴィクター・ラヴァル
出版日2019年12月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 まだ中学生(仮)
(2020/03/29 10:45登録)
恐怖・幻想小説で有名なH・Pラブクラフトの短編「レッド・フックの恐怖」を大胆に書き換えた作品。
舞台は1924年のニューヨーク。主人公はアフリカ系米国人の青年、トミー。墓地の前でギターを弾いていたところ、老人が「我が家でパーティーを開く予定でね。来客のために演奏してもらえないかな」、と話しかけ、望外な謝金を約束して去っていく。トミーは嫌な予感がした。
ハードボイルド風のミステリが後半いきなり暴力的な幻想小説に展開していくところが凄い。
人種差別主義者ラブクラフトの差別的な作品を、彼の作品を愛するアフリカ系の作家が鮮やかにひっくり返して見せている。

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