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ミステリの祭典

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2(S+T)の物語

作家 佐野洋
出版日1994年01月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 人並由真
(2020/03/27 16:06登録)
(ネタバレなし)
 女子大生・白浜津矢子は、バイト先の同僚の青年・渋岡清志の罠にはまって体を奪われそうになり、慌てて逃げ帰る。その帰途、雨の夜に乗り込んだタクシーだが、ドライバーである30代の若者・高場潜は、なりゆきから意外な特技を披露した。津矢子のイニシャルがTS、自分はSTだとか妙な暗合を指摘した高場は自分たちを「逆立ちコンビ」と称して、恋人関係になる。そしてそんな二人の周囲でいくつかの事件が……。

 92~93年の「IN★POCKET」(懐かしい)に連載された全12編の連作シリーズで、講談社文庫から文庫オリジナルの刊行。初版は94年1月15日刊行。

 赤川次郎のキャラクターものみたいな軽いのを、とかなんとか編集に言われて書いたようなシリーズで、正直ミステリとしても読み物としても大したことはないが、イヤミではなく暇つぶしにはなった。
 途中の一編で「ハガキで予言」の有名なトリックを借用してるが、作中で探偵役の高場に「ミステリでよく使われるトリック」と身も蓋もないことを言わせてアイデンティティ保護をする作者のマジメさには笑った。
 最後のまとめかたも悪い意味で、あー、この作者らしいな、という感じであったが、佐野洋はこれでいいのかも。あまり得点要素はないけれど、一応は手慣れた感じで読ませる……かな? 

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