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ミステリの祭典

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黒い花束
南郷弁護士シリーズ

作家 島田一男
出版日1961年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2020/03/02 20:38登録)
(ネタバレなしです) 作品によって本格派推理小説と軽ハードボイルド小説に分かれるとされる南郷弁護士シリーズにあって、1959年発表のシリーズ第6作の本書は前者に属します。南郷の助手の金丸京子に山で遭難死したはずの友人からダンス・パーティーへの招待状が届きます。南郷と京子が友人宅を訪問するとそこには様々な来客がいますが、その中の1人が不可思議な状況下で行方不明になります。その後も失踪事件が相次ぐという展開が早見江堂の怪作「本格ミステリ館消失」(2007年)を連想させます。犯罪性がはっきりしない失踪事件だとミステリーとして退屈になりやすいのですが、本書には当てはまりません。犯人と思われる三本指の男(横溝正史の某作品を意識したのでしょうか?)によって南郷が何度も裏をかかれるなど盛り上げるためのサービスには事欠かず、後年の阿井渉介の列車シリーズのごとく風呂敷を広げまくります。推理はかなり強引で、広げた風呂敷を上手く畳めたかというと微妙な気もしますがまずまず楽しめました。

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