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ミステリの祭典

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横溝正史読本
小林信彦編

作家 評論・エッセイ
出版日1976年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 蟷螂の斧
(2020/02/18 21:36登録)
裏表紙より~『名探偵金田一耕助のモデルは?『獄門島』『八つ墓村』ほかのトリックはどのように思いついたのか?―作家小林信彦を相手に、主要作品の詳細な舞台裏を初めて明かした~(略)~乱歩・安吾・彬光による横溝正史作品論』~
デビュー作とも言われる「恐ろしき四月馬鹿」(懸賞小説入選)はフーディーニの映画を日本流に書いたものと・・・。先人が同様なことで懸賞金を得たので自分もということらしい。この時代、罪悪感というものがない模様(苦笑)。
乱歩の「二銭銅貨」に関し、編集者(横溝も)は常に翻案じゃないかという不安があると発言。そして「殺人鬼」浜尾四郎は何となく翻案臭があるでしょう、「高木家の惨劇」角田喜久雄はシムノンの翻訳とそっくりなどとおっしゃる。(昭和51年、この時74才)ご本人は若い頃、翻案ものを何冊か発表しているのですが、お忘れか?(笑)。
なお、坂口安吾による「蝶々殺人事件」評論が痛快。「蝶々」は傑作、最もつまらないのが「本陣殺人事件」、「蝶々」をおさえ「本陣」に授賞した探偵作家クラブの愚挙は歴史に残る。ドストエフスキーは探偵小説とする説は暴論(以上二点には意義あり!笑)。ヴァン・ダイン、小栗虫太郎は衒学ぶりが退屈と容赦ない。クリスティとクイーンは褒めていますね。なぜか「吹雪の山荘」(シタフォードの秘密)をべた褒め。未読なので読まねば。(敬称略)

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