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ミステリの祭典

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時には懺悔を
「アーバン・リサーチ社」シリーズ

作家 打海文三
出版日1994年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 レッドキング
(2020/02/18 15:42登録)
「ハードボイルド」分類が妥当なのだろうが、本当は「探偵小説」としたい。これこそまさに探偵物語。「本格」ミステリの仮想空間のみに存在する名探偵という架空種族でもなければ、トレンチコート中折れ帽の仏頂面「ハードボイルド」探偵でもなく、凡庸で薄汚れていて豚の様に這いつくばって地を嗅ぎまわる、現実的で等身大の探偵たちの物語。
同業者を殺した犯人を追いながら、謎の水頭症児の秘密に行き当たってしまう男女の探偵ペア。誰もの頭にもよぎるダミーストーリー展開に引っ張っておいて、想定できる範囲の意外な真相で終わる。少しは驚かせてくれるが。
メインテーマの障害児ネタは「社会派」の押しつけがましい説教やイデオロギーの臭みはなく、しみじみとした良い読後感を残してくれる。

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