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ミステリの祭典

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探偵事務所 巨大密室
探偵事務所シリーズ

作家 鳥羽亮
出版日1996年11月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 nukkam
(2020/02/14 22:15登録)
(ネタバレなしです) 1996年発表の探偵事務所シリーズ第4作の本格派推理小説です。室生を訪れた依頼人は6年前の同窓会の服装でビルの屋上から飛び降り自殺したらしい友人の調査を依頼します。死亡当時の屋上は人の出入りが不可能な「屋根のない密室」状態で、遺書も残されていたことから警察は自殺と判断しています。ところが室生が調査を開始して間もなく、依頼人までもが6年前の同窓会の服装でビルの屋上から墜落死します。「巨大」の演出が弱いながらも謎がどんどん深まる展開は読み応えがたっぷりで、同じような屋上密室事件が続くのですが後になるほど密室としての完成度が高くなるなど実に芸が細かいです。最終章に至ってようやく室生がたどり着いた真相はルース・レンデルの某作品を連想させますが、非常に手の込んだ犯人の細工が印象的でした。新たな探偵助手(?)も加わってアイワ探偵事務所の益々の発展を期待させるような締めくくりになりますが残念ながら本書がシリーズ最終作、それどころか作者はミステリーから離れて時代小説家としての道を歩んでいくことになります。

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