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ミステリの祭典

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シャーロック・ホームズの事件録 眠らぬ亡霊
シャーロック・ホームズ(パスティーシュ)

作家 ボニー・マクバード
出版日2019年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2020/02/03 21:45登録)
(ネタバレなしです) 2017年発表のシャーロック・ホームズ事件録第2作です。ストーリの性格上やむを得ないところもあるのでしょうが苦悩して孤立するホームズがしつこいほど描かれており、個人的にはコナン・ドイル原作のヒーロー像を壊しているように思います。ドイル原作でワトソンがホームズの天才ぶりに感心する場面は私のお気に入りですが、本書ではそれもほとんどありません。ハーパーBOOKS版で500ページを超す厚さですがそれ以上に重厚さを感じさせるプロットで、登場人物リストに載っていない重要人物も少なくありません。前作で登場したフランス人探偵ジャン・ヴィドックが再登場していますが本書では単なるお邪魔虫的な脇役に過ぎないのが残念です。ホームズの学生時代のエピソードは無用の添え物かと思っていたら後半になると実は物語の重要な要素だったのには驚きました。犯人(というより悪人)の極悪非道ぶりが印象的です。

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