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ミステリの祭典

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思考機械「完全版」第二巻
思考機械

作家 ジャック・フットレル
出版日2019年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2020/01/13 20:49登録)
(ネタバレなしです) 完全版第二巻は1906年以降に発表された思考機械シリーズの短編31作(となぜかシャーロック・ホームズのパスティーシュ短編1作)が収められてます。発表順に並べたので生前発表された第二短編集(1908年)の作品が一巻と二巻に分かれてしまいましたが、これは本の厚さを考えるとバランス的に仕方ないですね。全作品を俯瞰的に見ると第一短編集(1905年)が質量共に充実した作品が多いことを再認識させられます。本書のコンパクトな作品群は出来不出来の差がありますが、それでも同時代のG・K・チェスタトンと並ぶトリック・メーカーであることがよくわかります。本書で個人的に気に入ってるのは、トリックがチェスタトンの某作品(ブラウン神父シリーズ)を先取りしている「オペラボックス」、謎の魅力では全作品中屈指(実現性はともかくトリックも独創的)の「幽霊自動車」、唯一の夫人との共著で神秘的な謎の「にやにや笑う神像」、複雑な犯行計画が印象的な「余分な指」です。それにしても思考機械から「不可能」という言葉が嫌いなのを何度指摘されてもつい「不可能」と発言してしまうハッチって...(笑)。

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