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ミステリの祭典

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前代未聞の推理小説集

作家 アンソロジー(出版社編)
出版日1993年08月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 メルカトル
(2020/01/05 22:18登録)
歴史学者・芥川賞・直木賞・天才バカボン、元文化庁長官など短編の名手11人集。
『BOOK』データベースより。

雑誌『小説推理』1979年1月号から12月号までの「推理小説に挑戦」欄掲載。
『ある殺人』『古墳殺人事件』『若葉照る』以外はほぼ凡作か駄作です。中にはどこが推理小説なのってのもあり、やはり非推理作家による推理小説なんてものはこの程度なのかと思いますね。
赤塚不二夫以外全く知らない作家ばかりなので、思い入れも先入観もなしに読めました。因みに、最も興味が惹かれた赤塚不二夫は俳句を扱ったダジャレ連発の、くだらない作品でした。同じ俳句をあしらった『若葉照る』は密室物で、これは面白かったですね。キャラもよく練られていて好感が持てました。同じトリックを使用した作品がありましたが、どちらが先だったのか曖昧なので何とも言えませんが、当時としては意外と斬新だったのかも知れません。

世間的に見てミステリは文芸作品より低く見られがちな気がしますが、この短編集を読んでみるといかにミステリ作家が優れたアイディアを提供しているかが良く分かります。そして推理小説を書く事の難しさが身に沁みますね。11作も並んで目を引くのが3作だけというのはちょっと淋し過ぎます。ミステリ作家としてデビューしながら次第に他ジャンルへ流れていった幾多の作家の気持ちがなんとなく想像できますね。

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